現場リポート

【ふかし軒理まる家】「第10話 外壁下地」

投稿日/ 2018年07月02日
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現在建築中の「ふかし軒理(おさ)まる家」では、外壁の下地がほぼ出来上がりました。工事が進むにつれて仕上げで覆われ見えなくなってしまうのが下地ですが、そんな部分にこそ建物の性能が隠されているものです。といことで、今回は外壁の下地をご紹介します。

2018年7月2日(月)

こんにちは。現場監督の丹羽政雄です。6月上旬に始まった梅雨がいよいよ明けそうです。近頃の梅雨と言えば、前半は晴れの日が多く、後半に遅れを取り戻すかのように集中して雨が降ることが多いようです。私の住む下呂市の一部では先日集中豪雨にみまわれ、河川が氾濫し橋が流され、一時的に集落が孤立しました。降雨は必要ですが、局地的・瞬間的ではなく、もう少し緩やかに降って欲しいものです。これも地球温暖化の影響なんでしょうか。

さて、現在建築中の「ふかし軒理(おさ)まる家」では、外壁の下地がほぼ出来上がりました。工事が進むにつれて仕上げで覆われ見えなくなってしまうのが下地ですが、そんな部分にこそ建物の性能が隠されているものです。といことで、今回は外壁の下地をご紹介します。


まずは耐力面材。日本の木造住宅の大半は軸組構法で、壁の中に筋交いを設置して耐力壁を作り、耐力壁が集合し建物を強くするのが一般的な方法です。最近ではこの筋交いに替えて耐力面材を用います。筋交いよりも強さがある上、壁の外面に張るため筋交いのように断熱材の邪魔をしません。その上建物を覆うように施工するため、ある程度の気密が確保できます。


耐力面材の上には防水透湿シートを張ります。読んで字の如く“水は防いで湿気は透す”シートです。大半の雨水は壁の仕上げ材で防ぎますが、万が一仕上げ材の裏を潜ってしまった雨水はこの防水透湿シートで防ぎます。壁防水の最終ラインです。


私達が採用している防水透湿シートは、業界最大手のディポン社のタイベック・ハウスラップです。幅1mと3mの製品があります。印字が赤色のものが3m品で、大きな壁に使います。3m品は大きい分扱い難さはありますが、防水上の弱点になりやすい継ぎ目を極力作らないためには有効です。


換気扇や電気配線の貫通部分は弱点になりやすいので、専用の防水部材を用います。


防水透湿シート相互の取り合い、木部との取り合い、サッシとの取り合い、板金との取り合いのそれぞれで専用テープを使い分けます。


外壁防水が完了した段階で、課長が外壁防水検査を実施します。問題なく合格です。


防水検査合格を受けて、縦胴縁を施工します。厚み17mmの胴縁を縦方向に取り付けることで通気層を確保します。この20余年でこの通気層は木造住宅業界のスタンダードとなりました。

通気層にはいくつかの機能があります。まずはその名の通り「通気」です。日射で温められた外壁材の裏側では上昇気流が発生し、建物に熱を伝えにくくします。そのため空気の入口と出口が必要です。

次に、建物内部で発生した湿気が気圧差より外部へ移動するので、その湿気を滞りなく外部に逃がすための隙間としての通気層です。そのために耐力面材と防水透湿シートには透湿性能があります。

そして最も重要な役割が、防水層の保護です。外壁材を柱や間柱に直接止付けると防水透湿シートに釘穴があき弱点が出来てしまいます。厚み17mmの胴縁を柱や間柱に打ち付けることでできる釘穴は防水上の弱点になりにくく、胴縁に外壁材を止め付けることで防水層を傷付けることなく防水性能が確保されます。また、万が一雨水が仕上げ材の裏を潜っても真っすぐ土台まで流れ外に導き出すことができます。

外壁下地の作業が終わると、ほどなくして外壁仕上げ工事が始まります。大工さんは続いて内部下地の造作に入って行きます。着々と工事が進捗しています。

丹羽 政雄