内装仕上げ
お施主様が住まいづくりを考え始めたのは2017年7月のこと。
当初は古くなた母家を建て替える予定でしたが、
敷地までの道路が狭く途中に鳥居があるなどして工事車両の通行が困難。
そのため所有する田んぼを埋め立てて新しい住まいを建てることを決意。
住まいづくりの想いは・・・
この地に生を受けたことをご先祖に感謝し子孫に価値ある財産を残すこと。
そんな想いを込めてここ城田寺での住まいづくりがスタートしました!
竣工予定:2020年8月末
延床面積:167.28㎡(50.60坪)
建物概要:長期優良住宅・木造2階建て
建物性能:耐震等級3・断熱等性能級4
設計監理:中島工務店設計室 小林尚長
内装仕上げ
内装仕上げ
「城田寺のいえ」は外装工事を終え、仮設足場が撤去されて外観がお目見えしました。
建物周りもスッキリしましたので、外部はいよいよ外構工事に取り掛かっていきます。
一方、内部は建て方後は棟梁がコツコツと造作を進めて来ていまして、
夏の暑い日も換気をしながらもマスクを着用して作業をしてくれました。
今回は内装の仕上げの様子をご覧いただきたいと思います。
内装工事は幅広い作業工程になりますが、まずは各階の床仕上げです。
1階の床は桧や杉のフローリングではなく、ナラ三層フローリングt=15です。
傷が付きにくい素材とのご要望から広葉樹のナラを採用しました。
張り上がると光沢のある綺麗な仕上がりになります。
幅広の150mmなので高級感もありますし、お値段も桧の上小節よりも高価になります。
張り上がりを確認したらすぐに養生をして次に作業に取り掛かります。
2階のフローリングはカラーフロアt=12を採用しました。
「城田寺のいえ」は、1階の仕様にコストを掛けた分、2階の仕様はコストを抑えました。
1階の床に合わせて2階もナラ柄にしましたが、こちらも光沢があっていい仕上がりです。
こちらも1階と同様、張り上がりを確認したらすぐに養生をしていきます。
各階のフローリングを張り終えると、次は階段掛けです。
階段材は2階の仕様に合わせて建材を採用しました。これもコスト抑えるためです。
全てにスペックの高い仕様にしてしまうと工事費全体が高価になってしまうため、
“中島とつくる家”では、こういったメリハリを付けることはよくあります。
階段も掛け終わったらすぐに養生です。
階段が出来るまでは作業用の梯子で昇降していましたが、
階段が出来ると階段を利用して昇降しますので特に養生は入念にしんばければなりません。
こちらは押入の壁を仕上げている様子です。
“中島とつくる家”では押入やクローゼット、また納戸やウォークインクローゼットなど、
杉の赤特という無垢板を張って仕上げます。
板材が湿気を調節することによって、
収納する物をカビや虫などから守ってくれるという効果があります。
こちらは脱衣室です。脱衣室や洗面所は高野槇を張ります。
高野槇は脂身が多い樹種なので他の板材より水に強いという特徴があります。
また、とても香りが良く入浴後はリラックスした気分にさせれくれます。
内装が板張りでないところはプラスターボードを張って仕上げの下地を造ります。
窓廻りは採寸してカットしたボードをピッタリ張っていきます。
建て方が終了してから4ヶ月、断熱材入れ、建具枠、廻り縁、巾木、造付家具家、和室造作といった、
幅広い作業をやってもらいましたが、大工さんの造作工事はここまでです。
これは仕様決めの様子です。
水廻りの床、クロス、左官床、左官壁などの仕様もお施主様と一緒にひとつひとつ決めます。
パントリーと脱衣室の床は水に強く掃除のし易いフロアタイルを採用しました。
葦柄のフロアタイルは見栄えも足触りも人気でこれまでも多く採用している柄です。
キッチンは石目調のクッションフロアを貼りました。
当初コルクタイルをお勧めしましたが、クッション性とコストを優先してこちらを選択。
キッチンに合わせた色柄で明るい雰囲気になりました。
2階の壁と天井の多くはクロス仕上げです。
クロス貼りに先立ちプラスターボードのジョイントとビス穴にはパテ処理をします。
そして各部屋で選んだ柄のクロスを貼っていきます。
一方、左官屋さんも今か今かと出番を待っていましたが、ようやくその時が来ました。
玄関の床は“中島とつくる家”では定番の豆砂利洗い出しです。
モルタルと豆砂利を一緒に練り混ぜたものを鏝で押さえ、
適度に乾いてきたところでスポンジで優しく表面を撫でるように洗い出していきます。
決して洗い過ぎず、かつ万遍なく表面を洗うことによって美しい豆砂利が浮き出てきます。
1階の壁の多くは左官仕上げです。ここでは中霧島壁ライトを採用しました。
火山灰(シラス)が原料のこの素材は化学物質を含まないので健康的な室内空間になります。
また、調湿機能や消臭効果などに優れているので常に快適な空気に包まれます。
仕上げのパターンはいくつかありますが、コテの目仕上げを採用しました。
オーソドックスですが明るいグレーでソフトな仕上がりの一番飽きのこない仕上がりです。
こうして「城田寺のいえ」は内外装ともに完成に近づいてまいりました。
設備機器や照明器具の取り付けも順次進められていきます。
次回は外構工事の様子をリポートしたいと思います。
残りわずかとなってきました。どうぞお見逃しなく!
設計・監理 小林尚長