基礎工事
お施主様が住まいづくりを考え始めたのは2017年7月のこと。
当初は古くなた母家を建て替える予定でしたが、
敷地までの道路が狭く途中に鳥居があるなどして工事車両の通行が困難。
そのため所有する田んぼを埋め立てて新しい住まいを建てることを決意。
住まいづくりの想いは・・・
この地に生を受けたことをご先祖に感謝し子孫に価値ある財産を残すこと。
そんな想いを込めてここ城田寺での住まいづくりがスタートしました!
竣工予定:2020年8月末
延床面積:167.28㎡(50.60坪)
建物概要:長期優良住宅・木造2階建て
建物性能:耐震等級3・断熱等性能級4
設計監理:中島工務店設計室 小林尚長
基礎工事
地盤改良
2020年3月中旬
先日実施した建物の地盤調査の結果は“改良が必要”との解析結果が出ましので、
基礎工事に先立って湿式柱状改良を施工することになりました。
改良杭径はΦ500mm、固化材配合量300kg/㎥、改良長さL=3,000mm、打設数51本。
設計基準強度Fc=750KN/㎡。
所定の高さで天端を平滑にします。直径は500mm、打設した51本の全数を確認します。
仮設電気・仮設水道
時を同じくして仮設電気と仮設水道も整いました。
元々現場は田んぼでしたので現場付近には敷地までの電線と給水管がありませんでした。
そのため中部電力に電柱の新設を申請し、昨年末までに全面道路に3本新設してもらいました。
敷地内には仮設ポールを設置し仮設電気引込みの準備をします。
新設した電柱からの入線が完了し仮設電気が準備出来ました。
また、同時に仮設水道も準備します。
給水本管も現場付近には無く、昨年のうちに市役所上水道課に申請して本管延長工事をしました。
給水本管はお施主様の自己負担になりますが半分は市が補助してくれます。
それでも延長距離が長いと結構な負担になりますし引込みまでに相当の時間を要しますので、
うっかりしているとほしい時に水がないといったことになるので注意が必要です。
初めて水が出た時の感動は昔も今も変わらないものがあります!
丁張り
建物の全ての基準はこの丁張りにかかっています。
建物の位置、高さ、角度、水平度。ここを間違うと建物は歪んだものになってしまいます。
全ては現場監督の前田の視線にかかっています。その目は真剣そのもの!
丁張りが完了したら工事課長の小南がその全てを確認します。
段階検査の丁張り検査です。全ての基準が設計図通りであることが確認されました。
捨てコン打設
床付け(とこづけ)が終わるとポリフィルムt=0.15を敷き込んで捨てコンを打設します。
ポリフィルムは地中からの湿気を基礎に伝えなくすることが主な目的です。
捨てコンは基礎の型枠や鉄筋を配筋するための基準線を引くため、いわゆる墨出しのために打設します。
これが墨出しの様子です。
トランシットという測量機器を使い、正確に通りと直角な基準線を捨てコンの上に引いていきます。
建物の通りを決める極めて重要な作業です。
基礎配筋
墨出しが終わると基礎配筋です。
ベース筋はD13@150、立上り筋はD10@200。耐震等級「3」の住宅の基礎です。
全て組み上がると建物頑丈さが目で見てよく分かりますね。
この日はJIO(日本住宅保証検査機構)による配筋検査。
ベース筋の径とピッチの他、立上り筋の径とピッチ、それらの定着長さやかぶり厚等々、
それらが設計図通り施工されているか厳しく検査していきます。
もちろん検査判定は「適合」。これで基礎のコンクリートが打設の工程に進んでいきます。
基礎コンクリート打設
まずは基礎のベースコンクリートの打設です。
「城田寺のいえ」は基礎面積が35坪と大きいため打ちあがりまでの所要時間を考慮して、
ベースと立上りを分けて打設することにしました。
地中梁(筋掘り)の部分から入念にコンクリートを打設していきます。
コンクリートの設計基準強度はFc-21N/m㎡。
綺麗な打ち上がりました。
一定の養生期間をとって次は立上り基礎の型枠設置に向けて墨出しをします。
通り芯と逃げ墨を打ちながら立上り型枠の設置位置の墨出しをします。
そして墨に併せて立上り基礎の型枠が組み上げ、立上りのコンクリートを打設します。
打設後は養生期間をおいて脱型です。
八寸角の大黒柱が建つところは350mm角のコンクリート基礎でがっちり固めます。
こちらは基礎出来形検査の様子です。
基礎天端のレベルと対角の寸法を確認。
両対角の誤差は2mm、天端レベルの誤差は±1mm。現場監督の前田曰く「完璧!」と太鼓判。
同時にアンカーボルトとホールダウン金物の高さと寄りの確認、土台の墨付けも完了。
こうして「城田寺のいえ」は建方に向けて順調に工事は進んでいます。
次回は建方の準備を迎える材料たちをリポートいたします。お楽しみに!
設計・監理 小林尚長