現場リポート

耐震性能

お施主様が住まいづくりを考え始めたのは2017年7月のこと。
当初は古くなた母家を建て替える予定でしたが、
敷地までの道路が狭く途中に鳥居があるなどして工事車両の通行が困難。
そのため所有する田んぼを埋め立てて新しい住まいを建てることを決意。
住まいづくりの想いは・・・
この地に生を受けたことをご先祖に感謝し子孫に価値ある財産を残すこと。
そんな想いを込めてここ城田寺での住まいづくりがスタートしました!

竣工予定:2020年8月末
延床面積:167.28㎡(50.60坪)
建物概要:長期優良住宅・木造2階建て
建物性能:耐震等級3・断熱等性能級4
設計監理:中島工務店設計室 小林尚長

投稿日/ 2020年07月18日
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耐震性能

耐震等級「3」の住宅

梅雨の時期とはいえ今年はなんと雨の多いことでしょう。

「城田寺のいえ」ではその影響で外部の工事が足踏み状態となっています。

内部は棟梁が丁寧に仕上げてくれいますので順調に進んでいます。

早く梅雨が明けてほしいと願うばかりです!

さて今回は、前回の断熱性能に続いて耐震性能のリポートをしたいと思います。

 

基礎配筋

耐震性能で重要なところというのは大体見えなくなってしまう部分ですが、

建物を支える基礎は特に重要な部分と言えるでしょう。

「城田寺のいえ」の基礎の仕様はベタ基礎です。今や当たり前の基礎形式です。

許容応力度計算に基づきコンクリート強度と鉄筋の種類を決めていきますが、

コンクリートは設計基準強度=Fc-21N/m㎡、鉄筋はSD295Aで設計しました。

許容応力度計算によるとベース配筋はスパンによって異なりますが、

ベース筋は長辺短辺共にD13@150で統一し、鉄筋の継手も40D(520mm)以上確保。

ベタ基礎ベースのコンクリート厚は150mmです。

立上り筋はD10@200、上端主筋と下端主筋は共にD13としてあります。

外周部の根入れ深さは250mm、立上り基礎の幅は150mm、立上り高さは400mmです。

基礎全体の配筋が完了した段階で住宅瑕疵担保履行法に基づく検査を実施します。

検査は保険の引受けを行う日本住宅保証検査機構「JIO」が実施し結果は適合。

ここでは設計通りの耐震性能を満たした施工がされているかを厳しく検査します。

 

床合板

次に建物の骨組みあたる躯体の部分ですが、まずは水平構面の仕様を説明します。

水平構面は2階床面、1階屋根面、2階屋根面がありますが、それぞれ仕様は異なっています。

2階床面は構造用合板24mm、根太なし直張り川の字釘打ち、釘はN75@150で施工。

床倍率1.2。

1階屋根面は4寸勾配にして構造用合板12mm、垂木@455mm転ばし、釘はN50@150で施工。

床倍率0.7。

2階屋根床面は構造用合板24mm、根太なし直張り川の字釘打ち、釘はN75@150で施工。

床倍率1.2

特に釘の種類とピッチは重要になります。

あらかじめ所定の間隔を記した“モノサシ”に沿って釘を打ち込んでいきます。

 

耐力面材

続いて垂直面の仕様を説明します。

「城田寺のいえ」は外周部は全て耐力面材で壁量を確保しています。

耐力面材にもいろいろありますが、ここで採用したのは“ハイベストウッド9mm”です。

“ハイベストウッド”はせん断強さが構造用合板の約2倍の高耐水MDFです。

壁倍率2.5倍~4.0倍まで確保できる構造用面材ですが「城田寺のいえ」では4.0倍を採用しました。

壁倍率4倍の釘の仕様はCN65、外周部@100mm、中間部@200で施工。

防腐、防蟻処理もされています。

 

筋かい

垂直面の補強材として従来から使用されている筋かいも併用しています。

大凡の耐力は建物外周面の耐力面材で確保されているのですが内壁に筋かいを採用することによって、

建物全体としてさらにバランスの良い耐力壁の配置になります。

中島工務店では筋かいにも桧を使います。もちろん“東濃ひのき”です。

壁の厚さによって筋かいの厚さも変えているので45mmと30mmの2種類を設置してあり、

壁倍率はそれぞれ45mmが2.0倍、30mmが1.5倍となります。

写真のように45mmの筋かいをダブル(たすき掛け)にすると壁倍率は4.0倍になるわけです。

筋かいには専用の“筋かい金物”を設置して所定のビスで止め付けなければいけません。

 

ホールダウン金物

耐力壁は引き抜きにも耐えられなければなりませんが、接合金物の選定はN値計算で行います。

N値計算とは引張耐力がその部分の必要耐力以上であるかを確かめ、

柱頭と柱脚の接合金物を選定する手法です。

ホールダウン金物は耐力壁の位置やその壁量によって15KN~35KNまでの種類から選定します。

基礎から土台を貫通して柱に緊結されたホールダウン金物。

柱とその上階の桁を緊結したホールダウン金物。

 

「城田寺のいえ」では耐震のほかに制震装置も設置しました。

住友理工の制震装置“TRCダンパー”です。

壁に入った地震エネルギーを特殊粘弾性ゴムが吸収して揺れや加速度を抑えることができ、

建物の倒壊、変形も抑えて繰り返しくる余震にも高い効果が期待できる装置です。

「城田寺のいえ」では家づくりのテーマでもある“価値ある財産を残す”という想いからこれを採用しました。

 

躯体検査

基礎の配筋検査同様、

耐力面材や金物設置が完了した段階で住宅瑕疵担保履行法に基づく検査を実施します。

ここの検査も保険の引受けを行う日本住宅保証検査機構「JIO」が実施し結果は適合。

設計通りの耐震性能を満たした施工がされているかを厳しく検査します。

JIOの検査員と現場担当の前田安一郎監督、お疲れ様でした。

 

完成して仕上がってしまうと見えなくなってしまうところほど重要な部分です。

中島工務店はそういったところほど是非見ていただきたいと常々思っています。

自慢できる美しい構造材にこれらの性能が加わわり、そして真心こめて造り上げる。

これで安心して仕上げ工事に向かって行けます!

 

次回は雨で遅れている外壁工事をリポートしたいと思います。

どうぞお楽しみに!

 

設計・監理 小林尚長