南砂のいえ 制震ダンパー
「南砂のいえ」はお施主様の祖母様が住まわれていた場所。
祖母様からお孫様へ受け継がれ新しい住まい造りを計画。
都市部で多く建てられているようになった準防火地域の木造3階建てでも断熱性能を確保。
新しい住まい方を提案する家が出来上がるまでをご覧ください。
竣工予定:2021年4月
延床面積:129.61㎡(39.20坪)
建物概要:長期優良住宅・木造3階建て
断熱性能:UA値 0.35W/㎡K
ηAC値 1.2
耐震性能:耐震等級3
法規制等:準防火地域・省令準耐火構造
施工管理:中島工務店 東京支店
南砂のいえの外壁工事がもう少しで完了します。
今回は耐震等級と制震ダンパーについてでご紹介します。
完成後では見ることのできない壁の内部の仕組みを是非ご覧ください。
制震ダンパー
構造用面材が張り終わったら制震ダンパーを取り付けます。
黒と黄色の筋交いが制震ダンパーです。
建物を地震から守る方法として大きく分けて耐震・制震・免震の3つがあります。
耐震:地震に対して柱・梁・構造用面材・筋交いといった主要な構造部材の強度やねばり強さで耐える構造です。法律では耐震が基準となっています。地震の際に人が建物から逃げるための時間を耐えることが目的となっているため、建物が損傷しないというわけではありません。
制震:ダンパーなどの制震部材で地震の揺れを抑えて、主要な構造部材の損傷を抑える構造です。左官などで仕上げている部分は割れてしまう可能性もありますが、建物自体の被害を少なくし、継続使用がしやすくなります。
免震:基礎と建物の間に免震装置を設置することで、揺れを遮断する構造です。建物自体の被害がかなり少なくなります。しかし、大掛かりになり易くコストもかなり上がるため、一般的にビルや公共施設などに使用されます。
今回はミューダムという制震ダンパーを取り付けました。
取り付ける位置と数はメーカーさんと相談し、計算を行い性能を十分発揮できるように決定しました。
柱にビスでしっかりと固定。
耐震等級
法律で定められている耐震性に耐震等級というものがあります。
耐震等級は極めて稀にある地震(数百年に一回程度発生する可能性のある地震)に対して倒壊しない、数十年に一度発生する地震に対して損傷しない程度を基準としています。
震度で表すのは難しいですが、極めて稀にある地震は震度6強~7程度、数十年に一度発生する地震は震度5強程度になります。
耐震等級は3つのランクに分かれていて、耐震等級1で上記の地震にも倒壊しない。
耐震等級2は耐震等級1の1.25倍の地震でも倒壊しない。
耐震等級3は耐震等級1の1.5倍の地震でも倒壊しない。
となっています。
南砂のいえでは許容応力度計算という構造計算を行って、現状の最高ランクである耐震等級3を満たしていることを確認しています。
住まい始めてからの話になりますが、保険会社によっては耐震等級で地震保険が割引になる場合もあります。
東京支店 小此木恒
東京支店の最新情報はこちらをご覧ください。