現場リポート

【ふるさとと繋がる家】ふるさとと繋がる家、さらに深く。

名古屋市守山区。
ふるさと加子母からこの地に嫁いだ奥様。
奥様のご実家は加子母の製材屋さん。
桧や杉、様々な木材が製材される。
そして木材たちもここへ嫁いでくる。
こうしてまたふるさとと繋がる。
そんな住まいづくりが始まります。

竣工予定日:2016年2月末
延床面積:141.62㎡(42.84坪)
間取り:4LDK+8帖の吹抜け+畳コーナー+中庭のある家
設計者:中島工務店設計室 小林尚長

投稿日/ 2015年06月25日
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「ふるさとと繋がる家」が待ちに待ってようやく姿を見せようとしています。


5年前の2010年春、名古屋市守山区での土地探しからそれは動き出しました。地元の不動産会社から様々な土地を紹介されるもなかなか理想の土地がなく、ようやく巡り会えたのがこの土地。閑静な住宅街です。


間口は少し狭目ですが奥行きは充分あります。全面道路は一方通行ではあるもののインターロッキング敷きで車の通行量は少ない。造成したてで東隣の土地は既に家づくりが始まっていました。このタイミングで家づくりが始まるはずだったのですが、突然のご主人の海外赴任のお知らせ。悩んだ末に家族全員で3年間の海外生活を決断され、それまでこの土地は静かにお休みすることになってしまいました。


とは言うものの、その期間を大いに利用して設計メンバーの知恵を借りながらプランを進めることができましたし、お盆やお正月の休暇やお子様の長期休暇等で一時帰国された際にはプランの確認やモデルハウスの見学等も重ねてこれました。

2014年8月11日  設計業務委託契約


お盆休みを利用して帰国された際に設計契約を交わし、いよいよ実施設計が本格的にスタートしました。細かな部分はどうしても詳細図面を描いてお見せしないとご理解していただくのは難しいので、描き上げていく図面は60枚ほどになります。ここからの打合せもメールや国際電話を駆使し、更に一時帰国の際も中身の濃い検討を重ねていきました。

2014年8月29日  敷地調査及び役所調査


この日は敷地調査を実施し、敷地周辺の地盤の高低差や建物の位置や高さ等を光波測量機を使って測量。更に市役所や建設事務所等での法律規制に関する調査も同時に実施しました。ここは幸いにも名古屋市内でも珍しく防火指定の規制はないのですが、第一種低層住居専用地域のため高さ制限が厳しく、特に北側斜線には充分注意しなければいけません。

2015年5月下旬  現地確認


土地を購入して3年半、隣の家では日常生活が始まり建築地はこのように草ボーボーの状態になってしまいましたが、実施設計が完了し、お見積書の提出も終え、ご契約の準備が整いつつありました。

2015年6月6日  工事請負契約及び地鎮祭


大安吉日のこの日は雨上がりの素晴らしいお天気になりました。午前中には弊社長久手Studioにて工事請負契約を交わし、草ボーボーだった敷地は前日にしっかり草刈りをして地鎮祭の準備もバッチリです。


神官さんは加子母水無神社の田口勇三宮司。ようやくこの地での住まいづくりが始まります。心が引き締まるこの瞬間はいつも新鮮に感じますし、決意を新たにする時でもあります。

配置確認


地鎮祭終了後は建物の配置確認を実施。設計図通りに張られた地縄を元に隣地からの距離を確認したり、設計GL(建物の地盤高)の確認をします。北側斜線の規制がかかるので特に北側の距離には注意をはかり、お施主様にも充分な説明を行いました。その結果いずれも設計図通りで確定しました。

2015年6月8日  地盤調査


この日はジャパンホームシールド(JHS)による地盤調査を実施。スェーデン式サウンディング試験で実施するこの調査は通常5ポイントですが、今回の設計は建物が南北に長く6ポイントの調査となりました。調査を見守っている限りでは比較的浅い位置に支持層がありそうな感触であり、1時間ほどで調査は完了しましたが、後日報告された解析結果は表層改良と判明。

建物にとって最も重要な地盤は基礎工事に先立って表層改良の準備に取り掛かることになりました。次回はその表層改良のリポートをいたします。
設計・監理 小林尚長