現場リポート

【ふるさとと繋がる家】基礎工事

名古屋市守山区。
ふるさと加子母からこの地に嫁いだ奥様。
奥様のご実家は加子母の製材屋さん。
桧や杉、様々な木材が製材される。
そして木材たちもここへ嫁いでくる。
こうしてまたふるさとと繋がる。
そんな住まいづくりが始まります。

竣工予定日:2016年2月末
延床面積:141.62㎡(42.84坪)
間取り:4LDK+8帖の吹抜け+畳コーナー+中庭のある家
設計者:中島工務店設計室 小林尚長

投稿日/ 2015年07月23日
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表層地盤改良工事を終え、現場はしばらく養生期間。その間、北側と東側の隣地境界ではコンクリートブロックによって土留め工事を行いました。宅盤はしっかり床付けされて今か今かと基礎工事の着手を待っていました。

2015年07月02日 基礎工事着手


まずは地盤改良によって綺麗に床付けされた上にポリエチレンフィルム(ア)0.15mmを敷き込みます。これは地中からの湿気を基礎に伝えなくするためのもので、しっかりと重ね代は150mm以上を確保し、穴があいてしまった場合はテープで塞ぎます。


ポリエチレンフィルムの敷き込みが完了すると外周部の型枠の建て込みに取り掛かります。特殊な形状の基礎でない限り鋼製型枠での施工が一般的です。そして鋼製型枠であることを利用し、半年前ほどから新しい工法を採用しています。


それがこれです。その名も「NSP Fシート」。岐阜県中津川市に本社を置く鋼製型枠を製造・販売するメーカー、株式会社エヌエスピーさんの製品です。仕上がりは型枠を脱型するとその姿を現しますが、石目柄の塩ビシートで基礎巾木のヘアクラックや白華が表面に出てこないという利点がありあます。
その後、基礎の鉄筋の配筋へと取り掛かっていきました。


基礎配筋の全景です。南北に長い建物だなってことがよく分かり、中ほどには中庭スペース。玄関へのアプローチはその中庭に向かって真っすぐ進み、木製の格子戸から望めるといった感じになります。植栽や板塀などで感じ良く仕上げたいと考えています。

2015年07月08日 基礎の配筋検査


この日はJIO(日本住宅保証検査機構)による配筋検査。女性の検査員による厳しい検査がおよそ30分、もちろん検査判定は「適合」。


同時に監理者による配筋検査も実施しこちらも合格。水廻りの排水管の先行配管も全て完了し、これでベースコンクリートの打設準備が整いました。

2015年07月11日 ベースコンクリート打設


雨天のため2日延期しましたが、ようやく梅雨の合間の晴天の日にベースコンクリートを打設。朝一番に打設を開始して順調に作業が進み午前中で打設が完了、そして午後から押さえ。丸一日かけて終了しました。

2015年07月13日


ベースコンクリート打設から2日後のこの日、現場担当者の奥村晃弘くんは墨出しに精を出していました。立ち上がりの型枠の建て込み位置を記す作業です。これを誤ると土台が基礎からコボれてしまいますので慎重にかつ正確に行っています。

2015年07月15日 基礎立ち上がり型枠の建て込み


型枠は墨出しの通り建て込みました。立ち上がりの基礎幅は150mm、高さは設計GL(地盤面)より400mmです。


そしてこの日は、前面道路から給水管と下水管の引き込み工事も行われました。確認済証が交付されてから名古屋市に給水管引き込みの申請をし、およそ1ヶ月半でやっと水が引けました。その間はお隣さんのご厚意で水をお借りしていたのですから、行政にはこのあたりのスピードアップを求めたいものです。

2015年07月16日 立ち上がりコンクリート打設


この日は立ち上がりコンクリートの打設。天候が不安定で晴れたり雨がパラついたりのお天気だったので、打設しながら速やかに雨養生をしていきました。基礎天端の制度はとても重要なので慎重に作業を進めていきました。

2015年07月18日 立ち上がり型枠の脱型


脱型でFシートが姿を見せましたが、綺麗な仕上がりのようです。こうして基礎工事は無事完了しました。梅雨時の外作業はいつもその工程に悩まされますが、そんな中でもまずまず順調にここまでこれたと思います。そして現場はいよいよ建て方の日を待つばかりとなりました。

次回は木材検査の様子をリポートいたします。
加子母の製材屋さんで生まれた奥様。その製材屋さんで引かれた素晴らしい木材を存分にご見学いただきましょう!
設計・監理 小林尚長