【ふるさとと繋がる家】防水検査
名古屋市守山区。
ふるさと加子母からこの地に嫁いだ奥様。
奥様のご実家は加子母の製材屋さん。
桧や杉、様々な木材が製材される。
そして木材たちもここへ嫁いでくる。
こうしてまたふるさとと繋がる。
そんな住まいづくりが始まります。
竣工予定日:2016年2月末
延床面積:141.62㎡(42.84坪)
間取り:4LDK+8帖の吹抜け+畳コーナー+中庭のある家
設計者:中島工務店設計室 小林尚長
「ふるさとと繋がる家」は断熱工事が完了し全ての断熱材が充填されました。続いての工程は、仕上げにかかる前の重要な工程になります。それは防水工事です。暮らしの中で建物の中への雨水の侵入はあってはならないことであり、工務店側からすると致命的な欠陥をもたらすことになってしまいます。そのあってはならないことを防ぐべく、中島工務店では防水工事が完了した時点で施工課長による防水検査を全棟で実施しています。
2015年10月03日 防水検査
検査員は中部住宅部の施工課長である小南貴志。中津川支店から駆け付けました。まずは設計図を見開き、サッシや換気扇等の開口部の位置、また、外部の電気配線等、それらの防水処理の施工状況を細かく、かつ厳しく検査していきます。
外部の透湿防水シートはデュポン社のタイベック、ハウスラップです。この製品は高密度ポリエチレン不織布で、優れた透湿性と防水性を兼ね備えています。すなわち空気を通して水を通さないシートなのです。まさに家ごとラップすることになります。タイベックは、建築分野以外にも医療用滅菌包材、化学防護服、農業工業用資材等、様々な用途で幅広く利用されています。
しかし、家ごとラップすると言っても必ず開口部があるわけで、その一番大きなものはサッシです。サッシ周りはタイベックを切り取ることになるので、その周りは綿密に防水テープで貼り付けていきます。
換気扇や給気口等の塩ビパイプ周りは指定のディメンションシートで被い、防水テープでしっかりと貼り付けていきます。
電気配線の貫通部分については、幹線導入口やCD管の導入口、さらには外灯や屋外コンセント等にも専用の部材と防水テープで雨水の侵入を防ぐ施工をします。
ベランダのFRP防水も同様、その施工手順や勾配の取り方、また、ドレイン周りの状況も確認します。上の穴がオーバーフロー用、下の穴が排水口になります。サッシの掃出し部との取り合いも重要なポイントです。
FRP防水工法は、その設置部分によっては放水の役割と同時に防火の役割も担っていますので、屋根材と同様に防火構造の認定は不可欠です。
こうして防水検査は終了。検査記録として是正指示書を現場担当者に発行し、是正後に現場担当者は是正報告書を検査員に提出します。勿論それが承認されなければ検査は合格となりません。お施主様に対しては、監理者による工事監理日誌を提出してその旨を報告します。さらに、これらの報告書は中部住宅部の全員に配信され共有しています。
このように各段階での検査を厳しく実施していますが、その他現場担当者は自主検査によって自らの施工箇所を客観的に検査することも行っています。設計施工での“甘え”や“見て見ぬふり”を皆無にし、任せられる工務店を目指しています。
次回は、お施主様との施工定例打合せと住設機器の打合せの様子をリポートいたします!
設計・監理 小林尚長