【曳舟の家】第21回 社内完成検査
完成見学会の開催前に建物が適正に施工されたか品質を確保できたか、自信を持ってお見せするためのヤマ場を越えなくてはなりません。
住まいは設備機器や、照明器具がついてクリーニングが終わると社内検査をしました。
現場監督、設計担当、検査担当者が立会い、微に入り細に入り仕上がりの確認から、機器動作の不具合がないか、また設計デザインの評価も交えてほぼ半日掛かりです。
担当の監督にとっては終盤でバタバタとしながら検査日を迎え緊張の一日となります。
「見せるは恥だが役に立つ」
某人気ドラマのタイトル風ですが、注文住宅において一邸一邸同じものがないので
つくり手として、視点を多くしてツブサに検証することで得られるモノは大きいのです。
よくある手直しが必要な事例をいくつか紹介します。
左官の引き傷。ひとりでは気付かない細かなものも複眼で見ると気づくものです。
床の杉板の凹み傷。床養生を撤去した後によく見かけられます。
水を含ませた布にアイロンの高温蒸気をあてるとかなりの確率で復活します。
お引き渡し後の処置としてもお手入れ方法としてお伝えしていきます。
キッチンカウンターと壁パネルの取合い部分のちいさなスキマ。
ここはシール処理を施します。
浴室の出入り枠の取合い。水の侵入を防ぐためシール打ちを指示します。
階段は大工棟梁の仕事がきっちりしていたのでスキのない仕上がりでした。
しかし昇降の際、ミシミシときしみ音がするので木と鉄部の競り合いをサンドペーパーで調整します。
手直しの指摘だけではなく設計的な評価もしていきます。
押入の布団専用収納部の床板をすのこ状に仕上げています。
布団の通気を考慮するとベタ-な納まりとして評価されました。
キッチン収納側のカウンター。
アクセントとなる材は丸太購入から製材、ハギ合せというストーリー性が、含まれています。
そして仕上げ厚さは全体のバランス、強度、など身体感覚での評価もしていきます。
小さなディテールの積み重ねが全体の調子を整えていきますので、線の太さで伝統的か現代的か
和が強いか洋が強いか、など、その家の持つ個性がにじみ出てくるのです。
玄関ドアの戸当たりの検討。
開き切りのハンドル当たりをクローザー調整とするか戸当たりを設けるかなど
使い勝手に関するところは皆で意見交換をしていきます。
チェック項目と図面での照合、手直し対策など確認して社内検査は終了しました。
東京支店