現場リポート

【成増の家】防蟻処理

投稿日/ 2019年01月26日
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成増のいえ第9回目の現場リポートは防蟻処理です。
水と並ぶ木材の天敵がシロアリです。

シロアリ

日本で有名なシロアリは在来種であるヤマトシロアリ・イエシロアリと外来種のアメリカカンザイシロアリの3種類です。

ヤマトシロアリは寒さに強く北海道の北部を除く日本全国のほとんどの地域に生息しています。

イエシロアリは寒さに弱く関東よりも南西に生息していますが、温暖化の影響で北上してきているともいわれています。

アメリカカンザイシロアリのカンザイとは「乾材」つまり乾いた木材のことで他の2種類が湿った木材を好むのに対してアメリカカンザイシロアリは乾材を好みます。

今回は3種類の中で最も被害が多いヤマトシロアリを中心に成増の家での3つの対策を紹介します。

防蟻処理

基本的にヤマトシロアリは基礎を登って侵入するか、基礎のわずかな隙間などから侵入します。

そこで、侵入経路の近くに使われる地上から1m部分の構造材(土台・柱)と全ての大引き・間柱に塗布しています。

構造材と合わせて、1階の床で使用する構造用合板にも行います。

プレカット工場10_R
成増のいえの防蟻処理は、材料を現場に運搬する前に加子母(かしも)のプレカット工場で行いました。
エコボロンというホウ酸が原料の薬品を使用しています。
写真は構造用合板に塗布した後の様子です。塗布した後は細い木を間に咬ませながら重ねていき、しばらく放置して乾燥させます。

IMGP9870_R
建て方・外周部の壁が貼り終わった後で現場監督の桂川さんがプレカット工場で防蟻処理を行っていない壁の合板や間柱に噴霧器を使いエコボロンを塗布しました。

IMGP0163_R
ホウ酸は、水に溶け出す成分の為、外部に関しては屋根仕舞いが終わり、雨が降らないタイミングを見計らって壁の合板と胴縁(どうぶち)に塗布しました。
手に持っているのが噴霧器です。白いタンクにエコボロンを入れて蓋をし、自転車の空気入れのようにポンプで圧力をかけて使います。
内部と外部の両方に塗布するため、何度も注ぎ足す必要があり手間のかかる作業でしたがなんとか終わりました。

基礎一体打ち

シロアリ対策の二つ目は「成増のいえ 基礎工事」で紹介した「一体打ち」という基礎の打設方法です。

基礎一体打ち
通常の基礎はスラブ(地面と接する平らな部分)と立ち上がり(外周部・内部)を分けて打設しますが、一体打ちはスラブと外周部の立ち上がりを一回で打設します。
一体で打つことにより、スラブと立上りの打ち継ぎ部分に亀裂やすき間が生じにくくシロアリの入る可能性が低くなります。
通常の打設よりも技術が要求されますが、古くからお付き合いのある職人さんが上手に施工してくれました。

 定期点検

三つ目は対策というよりも早期発見に繋がる定期点検です。

定期点検は半年・1・2・5・10・15・20・25・30年と行い、項目に沿って屋内・屋外などいろいろな所を点検します。

項目の一つに床下に潜っての点検があり、シロアリの発生状況や蟻道(ぎどう)の有無も含め基礎・土台の状態を確認しています。

小此木

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