【八千代の家】建て方①
前回は岐阜県中津川市加子母(かしも)のプレカット工場での、木材検査及び、宝形(ほうぎょう)屋根などの構造加工の打ち合わせの様子をリポートしました。
今回は建て方の様子をリポートします。木材検査を終えて加工された構造材が現場へと運ばれて来ました。
材料運搬を担当しているのは、「伊勢原の家」の建て方でも木材を運搬した加子母の運送屋さんの島崎運送さん。息子さん2人を含めた親子3人で、加子母周辺地域の木材を全国に運んでいます。今回は島崎運送さんのお父さんが現場に駆けつけてくれました。
ユニック車で構造材を現場内に降ろしている様子です。建て方で使用する順番も考えて材料を置いていきます。写真右端には以前搬入した構造材が、白いシートを被せて雨養生され置かれています。基礎工事が終わり、プレカット打ち合わせ中に1車分の材料が搬入され、今回は2車目の材料搬入です。
前回紹介した宝形(ほうぎょう)屋根の材料を含めた構造材全てが搬入され、建て方の準備が整いました。
「八千代の家」の現場を担当する大工さんの二村立泉(ふたむらたづみ)棟梁です。出身は加子母の隣町、温泉街で有名な下呂の大工さんです。
初日に土台伏工事を行いました。土台には番付(ばんづけ)と呼ばれる、設置場所を示す番号が記してあります。それを基に土台を設置する場所に配っていきます。土台には、基礎パッキンと呼ばれる、写真中央で棟梁が手に取っている黒色の特徴的な部材を取り付けます。
基礎パッキンは、基礎と土台を分離させ、換気をする目的で取り付けられます。基礎と土台の間にできた空間から風が通り、床下の湿気がこもりにくくなることで建物の耐久性が高くなるという効果があります。
基礎パッキンを土台材に据え付け、基礎の立ち上がりに埋め込んである、アンカーボルトで締付けて土台と固定します。
土台を据え付ける位置は、基礎の天端に記してある土台据え付け用の墨に沿って伏せていきます。
土台伏せ完了後の全景です。据え付けられた土台には柱が立てられます。現場には仮設足場が組み立てられ準備が整いました。
施工後には写真のようにビニールシートを被せて雨養生を行いました。
次回は応援の大工さんが合流して建て方を進めていきます。さらに前回紹介した「八千代の家」の肝でもある宝形(ほうぎょう)屋根が組み上がる様子もリポートします。
東京支店 今井拓磨