現場リポート

【凱風館(内田樹様邸)新築工事】2011.6.7 特別編「ようこそ加子母へ」-その2

「日本辺境論」等等、多数の著書を出されている内田先生のご自宅兼合気道道場を 新進気鋭の若手建築家、光嶋裕介氏が設計された建築がいよいよスタート。
■光嶋裕介建築設計事務所
 URL→http://www.ykas.jp

竣工予定日:平成23年10月末
延床面積:350㎡
間取り:4LDK+合気道道場
設計者:光嶋裕介建築設計事務所 光嶋裕介

投稿日/ 2011年06月10日
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2日目本日は、伊勢神宮式年遷宮の御用材を伐り出している「木曽ヒノキ備林」へお連れしました。神宮式年遷宮とは、ご存じの通り、伊勢神宮の社殿を20年に1度建て替える1300年続いている儀式です。ちなみに、次回は、2年後の平成25年に第62回が執り行われます。

2011.6.7 加子母


深い森は、たっぷりと雨水を貯め込んで、山全体で常に水分を湛えています。


古い切り株を抱きかかえるように、新しいヒノキが生育している姿も天然林ならではの風景です。


古い切り株の上に、ヒノキの若木が生えているのがお分かりでしょうか?切り株の上は、地表よりも、落ち葉や下草による遮光の影響を受けにくいため生育環境としては良いのだそうです。たまたま切り株の上に落ちた種子のみがこうやって成長していくのだと思うと、過酷な運命などを考えてしまいます。 そして、この若木の根っこが古い切り株を抱きかかえて成長していくのですが、まさに先代を礎にして、次の世代が成長していくのだと感慨にもふけりました。もうこの森には、何回も来ているのですが、来る度毎に、新しい発見があり、霊気を感じます。お~っと、こんな看板も・・・


昨日の渡合温泉の主人が熊と格闘した話など聞かねば良かった~。当社の中川の方から、いろいろと説明させていただきました。


(左から奥様、内田先生、中川です。)


これは、式年遷宮の内宮の御用材の切り株です。 まずは、上部の三つの柱を残して、掘っていき、その後、その柱を順番に伐っていくことで、予定した方向に倒します。これを三緒伐りというそうです。

ヒノキと良く似た木にサワラという木があります。製材してしまうと香りや色でだいたい分かるのですが、立木の時には本当に似ていてほとんど判別がつきません。で、葉っぱをみてみると・・


この葉っぱ、左がヒノキで、右がサワラなのですが、違いがおわかりでしょうか? 色の濃さが違うのはたまたまなのですが、良く見て頂くと、左は白いYのアルファベットが、右はXか、Mのアルファベットが見えませんでしょうか?これが、確実な見分け方なんですよね。


二代目大ヒノキの前で記念撮影をして、山を後にして下界へと降りて行きました。加子母の最初の信号機の前で、「わ~、信号機だ。加子母って都会だよね~。」 昨夜から、電気のない温泉、奥深い山中と、 すっかり、自然の中にどっぷり浸りすぎて、感覚がおかしくなっていました。しかし、加子母が都会だなんて・・・?


お昼には、加子母名物 「鶏 (けい)チャン」をしっかり食べて、
プレカット工場などを見学していただき、東京、神戸へと帰路についていただきました。今回の旅程で加子母を知っていただき、また、私たちの、山、森林、環境への思いをお伝えできたならば、幸いです。 というよりも、楽しんでいただけたならば、何よりです。

そして、そして、本日のベストショット。会員様限定!の、訳はないですが、


です。是非是非、また、加子母へ、そして、ランプの宿へお越しください。